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【個人投資家向け会社説明会レポート】佐藤取締役が語る、自動運転が拓く社会課題解決と未来のモビリティ戦略
2025年12月15日
本レポートでは、当日の講演の中から、モビリティ・DXビジネスグループ取締役の佐藤による「自動運転事業の展望」に関するプレゼンテーションの要点と、その場で感じられた熱気をお伝えします。
佐藤取締役によるプレゼンテーション「自動運転事業が拓く未来」
プレゼンテーション冒頭では、「地域交通の担い手であるドライバー不足」という喫緊の社会課題に対し、自動運転がその解決策の主軸となることを力強く訴えました。バスの減便や2030年には3.6万人のドライバー不足が予測される中、国を挙げた自動運転への期待と予算投入の現状を提示し、当社がその「ど真ん中」で社会実装をリードする企業であると自負する姿勢を示しました。

当社の強みとして、以下の三つの柱が強調されました。
1.日本全国を網羅する高品質な3次元地図データ:
モービルマッピングシステム(MMS)による緻密なデータ取得を通じて、国内全体の3次元地図データを保有。高速道路3.3万キロのデータ販売開始は、自動車メーカーのみならず、インフラ企業への展開も視野に入れる当社の戦略を示唆しました。
2.「はたらく車」全般を無人化する自動運転技術:
当社の出資先であるティアフォー様との連携により、オープンソースソフトウェアを基盤とした汎用性の高い自動運転技術を提供。大型バスからタクシー、物流車両まで、多種多様なモビリティの無人化を通じて、人手不足に悩む様々な産業への貢献を目指します。
3.実証実験から社会実装へ導くモビリティサービス提供力:
2016年以来120カ所以上で実証実験を重ね、特に東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてトヨタ自動車様と共同で推進したe-Paletteによる輸送プロジェクトの成功など、これらの実績を通じて技術の信頼性と社会実装への確かな自信を確立しております。

佐藤取締役は、現在の「レベル2」から、ドライバーが不要となる「レベル4」の世界への移行が不可欠であると強調。国が掲げる2025年度を目途に50カ所、2027年度までに100カ所以上での無人自動運転移動サービス導入目標に対し、当社がその約半数を手掛ける中核を担っていることを説明しました。特に、自動運転の社会実装にはバス事業者や国内自動車メーカーとの強固な協業・提携が必須であり、協業事例を挙げ、連携の深さを示しました。
【社会実装事例の紹介】
具体的な社会実装の進捗として、長野県塩尻市でのレベル4無人運行開始、神奈川県平塚市での路線バス自動化プロジェクト、さらには川崎市や桑名市など、全国各地で着々とプロジェクトが進行している状況が示されました。これらの事例からは、地域の実情に合わせた形で自動運転技術が社会に浸透していく様子が伺えました。
【事業推進における重要課題と取り組み】
自動運転の社会実装における重要な課題として、「安全性の向上技術」「持続可能な事業性」「地域住民の社会受容性」の三点を挙げ、特に地域コミュニティとの連携強化や教育を通じた理解促進が当社の重要なミッションであると述べました。
【成長を加速させる戦略的パートナーシップ】
この大規模な事業展開を加速させるため、三菱商事との合弁会社A-Drive株式会社の設立とその役割を強調。公共交通に留まらず、流通、都市計画、医療、不動産、観光など、多岐にわたる産業での自動運転導入をワンストップで支援する構想が語られました。

さらに、JR東日本様との業務提携による地域公共交通活性化、名鉄整備様との提携による自動運転技術の整備体制強化、そして遠隔監視センターの設立による全国の自動運転車両リモート監視体制など、事業を加速させるための戦略的な取り組みが紹介されました。
日産自動車様への地図データ提供、三菱電機様との共同ソリューション、3次元領域の拡大に向けたマップフォー様への出資および業務提携、さらには交通DXから自治体DX、デジタルツインへの展開など、当社が幅広い分野で挑戦し、持続的な企業価値向上を目指す強い意欲が示唆されました。

会場では、佐藤取締役の力強く、熱意のこもった語り口や具体的な事例を交えた説明を通じて、当社の自動運転事業が社会にもたらす変革と、その実現に向けた確かな推進力がひしひしと伝わりました。本報告はプレゼンテーションの主要なポイントをまとめたものですが、会場で直接質疑応答が交わされる中で、さらに踏み込んだ事業戦略や市場へのインパクトに関する深い洞察が得られたことと存じます。
この度の会社説明会を通じ、当社の自動運転事業が社会課題解決にどのように貢献していくのか、その具体的な戦略と実践について深くご理解いただけたものと確信しております。
本レポートは、あくまで説明会の一端をお伝えするものに過ぎませんが、現地でしか得られない情報、臨場感、そして経営陣との直接的な対話の機会は、何物にも代えがたい価値がございます。当社では、今後もこのような直接対話の場を設けてまいります。次回の開催の際には、ぜひ会場へ足をお運びいただき、当社の「今」と「未来」を肌で感じていただけますと幸いです。
今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
会社説明会での他取締役の講演内容は、下記のページよりご覧いただけます。
・加藤社長が語る、中期経営計画の現在地と2030年への成長戦略
https://aisan-corp.com/topics/251115-1
・曽我取締役が語る、アイサングループの企業価値向上に向けた取り組みについて
https://aisan-corp.com/topics/251115-2
・細井取締役が語る、公共セグメントの挑戦~測量が支える社会インフラの未来~
https://aisan-corp.com/topics/251115-3
※説明会開催の全体報告は、下記のリンクからご覧いただけます。
https://aisan-corp.com/topics/251115
また、説明会での質疑応答の内容は、別途以下のページに掲載しております。
https://aisan-corp.com/2199