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挑戦と進化のストーリー
50年の信頼を次世代へ。公共セグメントが挑む、空間情報の未来
2025年8月26日

話し手:細井本部長(公共ビジネスセグメント)
アイサンテクノロジーの祖業であり、社会インフラを支える公共ビジネスセグメント。今回は、その変革と進化を率いる細井本部長に、55期を振り返っての所感、現在の取り組み、そして未来への展望について伺いました。
Q. 公共セグメントにおいて中期経営計画ここまでを振り返っていかがでしたか?
55期は、計画していた各省庁の入札案件が、想定と大きく乖離してしまったことが一番大きな影響でした。このリスクをどう挽回するかという状況でしたが、柔軟な対応が十分にできず、結果として計画には届きませんでした。
一方で、「ANIST」に関しては、企画開発から販売促進、営業サポートまで、各チームがうまく機能し、連携することができました。これまで実施できなかったようなプロモーションも展開でき、この点については大きく進歩できたと考えています。
ただ、研究開発に関しては技術の高度化に伴い具現化に時間を要することも多くなってきており、中期経営計画の目標を達成するためには、より製品化に近い技術テーマに絞り込んだ対応が必要となっています。
Q. グループ会社とのシナジー効果は現れてきていますか?
シナジーに関しては、55期の一年間をかけて様々な連携体制を構築してきました。その成果が55期の数字に直接結びついたわけではありませんが、今期に入ってから、着実に形になり始めています。
例えば、秋測とはサポート面で連携し、ソフトウェアだけでなくサービスも含めた新しいパッケージ提案ができるようになりました。また、三和とは、当社が持っていなかったGISの技術を活用した共同検討を進めています。お互いの技術レベルで情報交換を重ねており、これをどう製品化していくか、今まさに取り組んでいるところです。
Q. 今後の成長分野はどの分野だとお考えですか?
やはり、国が推進しているi-Constructionの流れもあり、三次元関連分野の進捗は非常に早いと感じています。特に、測量で取得した膨大な点群データをどう扱うか、そして業務全体をどうデジタル化していくか、というテーマは国も強力に推進しています。この分野は、今後大きく伸びていくと確信しています。
Q. 公共セグメントにおけるアイサングループの強みはどこでしょうか?
一番の強みは、お客様に提案できるソリューションの幅広さです。
私たちは、ソフトウェアだけでなく、ハードウェア、各種サービス、そして技術情報まで含めた総合的な提案が可能です。半世紀にわたってこの分野でビジネスを続けてきた信頼もありますし、常にお客様の満足度を第一に考え、寄り添った提案を心がけています。
そして、50年以上という歴史の中で蓄積してきた技術や知識を、お客様が本当に求める製品づくりに反映させています。
何より大きいのは、お客様との距離の近さです。私たちは単にモノを売るのではなく、トータルソリューションを提案する中で、お客様の声を直接聞く機会が非常に多い。その貴重な声が、次のモノづくりやサービスに活かされている。これが他社にはない、私たちの大きな強みだと感じています。
Q. 現在、どのような研究や製品開発を行っていますか?
先ほど申し上げた通り、三次元分野には特に注力しています。
ただ、それは単に三次元データを扱う製品を作るということではありません。今お使いいただいているお客様が、どうすればこの新しい三次元技術をスムーズに活用できるか、というお客様に寄り添った視点を最も大切にしています。
もう一つの大きなテーマはクラウドです。この業界でもデータの流通にクラウドの活用が広がっていますので、お客様が取得・作成された大切なデータを、いかに有効に、そして再利用しやすくするか。この2つのテーマを中心に、研究開発を進めています。
Q. 最後に、公共セグメントとして、どのように社会に貢献していきたいとお考えでしょうか?
私たちが担っているのは、測量や空間情報といった、社会インフラの根幹を支える分野です。かつて社会インフラといえば道路や建物でしたが、今やインターネットや様々なデータも含めて社会インフラだと考えています。
社会のデジタル化が進む中で、空間情報の必要性はますます高まっており、お客様の仕事も多様化しています。より高精度で多様なデータに対応していくためには、私たちシステムを提供する側の力が非常に重要です。
社会インフラの発展に、私たちの技術力で貢献していく。そのことを常に心に留め、日々の活動に取り組んでいます。